EM/IR、熱信頼性、パワー・インテグリティ

シルバコのInVar™は、アナログ、デジタル、およびミックスド・シグナルIC設計におけるパワー、EM/IR、熱の各影響を解析します。InVarの製品ラインナップには、InVar Prime、InVar Power、InVar EM/IR、およびInVar Thermalがあり、設計フローにおける初期段階から最終段階のサインオフまでをカバーする、包括的なパワー・インテグリティを実現できます。一般的に、パワー・インテグリティの解析が行われるのは設計サイクルの後半に限られるためタイトなスケジュールを余儀なくされ、設計において対応できる選択肢が限られてしまうこともあります。InVar Primeは、設計の初期段階で解析が実行できるので、設計者はより多くの選択肢に基づき設計を進めることができ、設計の終盤で発生する問題を減少させることができます。

はじめに

IRドロップ、エレクトロマイグレーション、および熱の影響の解析は、アナログ回路、高速IO、カスタム・デジタル・ブロック、メモリ、スタンダード・セルなどのトランジスタ・レベル設計に対する物理的検証において、以前から重大な課題となっています。これは、設計の大規模化に伴って、より複雑な設計解析を正確に実行することが求められているためです。たとえば、FinFETで増大した電流密度と熱プロファイルは、エレクトロマイグレーションやEMの不具合が発生する確率を引き起こすため、慎重に解析および設計して対処する必要があります。

InVarは、階層的処理方式によりこれらの難しい問題を解決するソリューションを提供します。ブロックからフルチップまでの幅広い種類の設計を対象に、IRドロップ、エレクトロマイグレーション、および熱の各影響を正確にモデル化することができます。また、特許を取得したコンカレント手法の電気/熱解析により、複数の物理プロセスの同時シミュレーションが可能です。この機能は極めて重要です。今日の設計では、電力および熱の2次元/3次元プロファイル間の重要な相互作用を把握し、動的な熱プロファイルがデバイスの振る舞いにどのような影響を及ぼすかをリアルタイムに解析して、パッケージおよび基板の特性がどのようにシミュレーション結果を左右するかを(隣接要素による影響も含めて)理解する必要があるため、InVarのこの解析機能が大いに威力を発揮します。InVarの電気解析は、単純化されたデバイスのモデルではなく真のSPICEエンジンを使用するため、正確な解析結果を得ることができます。また、並列処理技術の採用により高いパフォーマンスを実現できることもInVarの特長です。得られる結果は物理的な測定と同程度の精度があり、大規模なデザインでも高速に処理できるため、FinFETテクノロジを含むあらゆるプロセス・ノードに適用できます。

InVarは使いやすい設計環境を提供し、作業の効率化とスムーズなテープアウトを実現することができます。プロセッサ、有線/無線ネットワーク、センサ、高電流IC、ディスプレイなどを含む、幅広い設計にInVarは対応しています。

おもな特長

  • InVar Powerは、設計者が電力および熱の2次元/3次元プロファイル間で相互依存に起因するさまざまな影響を理解するための支援をし、動的消費電力が、どのようにデバイスの振る舞いに影響を及ぼすかをリアルタイムに解析します。
  • InVar EM/IRは包括的な解析を提供し、上層の接続から下層のトランジスタに至るまでの電源ネットワークを完全なグラフィックで可視化することができます。階層ブロック・モデリングという独自の手法により、実行時間の短縮とメモリの節約を実現すると同時に、実際のフラット階層での精度を維持することができます。また、EMルールをプログラムすることで、新しいテクノロジにスムーズに対応することが可能です。
  • InVar Thermalは、シングル・セル設計からフルチップまでを幅広くカバーし、ラボ検証済みの精度を提供する熱解析ツールです。熱エンジンからパワー・エンジンおよび EM/IR エンジンへのフィードバックにより、かつてないほどの総合的な精度を提供します。

メリット

  • ラボおよびファウンドリによる検証済みの精度
  • フルチップ・サインオフを高精度・高パフォーマンスの解析機能により実現可能
  • 設計の自由度が高いバックエンド設計の早期段階で解析を実行可能
  • 解析の実行に事前の特性評価は不要
  • 使いやすい環境
  • パワー・インテグリティに関する問題の発生を効果的に防止
  • 広範囲にわたるテクノロジ・ノードをカバー

おもな用途

  • 初期解析 - InVar Primeは、設計の早期段階におけるパワー・インテグリティの解析に適した、レイアウト・エンジニア向けのSPICEエンジンを使用しないソリューションです。パワー、EM/IR、および熱の状態を、詳細なレイアウト設計を開始する前に見積もることができます。また、ビアの欠落、メタル形状の分離、ラベル設定や迂回配線の矛盾など、通常のLVSチェックでは検出されない問題の発見と修正にも役立ちます。
  • アナログ・デザイン解析 - パワー検証、EM/IR検証、および熱検証を同時に実行可能な業界唯一のアナログ設計用サインオフ・ツールで、トランジスタ・レベルのソリューションを提供します。
  • デジタル・デザイン解析 - パワー、EM/IR、および熱の同時解析によるフルチップ検証/サインオフが可能で、ブロック・レベルからフルチップ・レベルまでのデザインを解析できます。

技術仕様

  • 初期解析(InVar Prime)に必要な入力データ
    • レイアウト: GDSII
    • テクノロジ: ITFまたはiRCX
    • 補助的なデータ: レイヤ・マッピング・ファイル(GDSIIファイル用)、電源/グランドのネット名、電圧源の位置およびノミナル値、電源/グラウンド・ネットの領域ベースの電流消費量
  • アナログ・デザイン解析に必要な入力データ
    • レイアウト: GDSII
    • ネットリスト: SPICEおよびDSPF
    • テクノロジ: ITFまたはiRCX
    • 補助的なデータ: レイヤ・マッピング・ファイル(GDSIIファイル用)、電源/グランドのネット名、電圧源の位置およびノミナル値
  • デジタル・デザイン解析に必要な入力データ
    • 設計データ: LEF、DEFまたはVerilog
    • モデル: Liberty
    • タイミング制約: SDC
    • 寄生素子ファイル:SPEF
    • テクノロジ: ITFまたはiRCX
    • アクティビティ: FSDB、VCD、VPD、SAIF