高精度3次元寄生素子抽出ツール

Clever™は物理ベースの3次元RC抽出ツールです。GDSIIマスク・データとプロセス情報を使用して、MEMS、先端CMOS、TFT、メモリ・セルのリアルな3 次元構造を生成します。3次元構造の生成処理には、内蔵のエッチング/ デポジション・プロセッサおよび光リソグラフィ・シミュレータを使用します。Cleverで抽出されたRC素子はSPICE ネットリストにバックアノテートされます。また、Cleverフレームワークでは液晶ディスプレイ(LCD)シミュレータを使用できます。このシミュレータにより、液晶ダイレクタと電界、およびそれらが持つ寄生容量に対する影響をシミュレートできます。

はじめに

今日主流となっているナノレベルのプロセス・テクノロジ、および動作クロックの高速化を求める要望の高まりに対応するには、高速システムの総合的な動作性能を根本的に左右する配線構造を高精度で隅々まで解析し、チップ上の信号の整合性を保証する必要があります。回路設計の大規模化と並行してプロセス微細化テクノロジが発展する中、配線抵抗、配線容量およびインダクタンス、あるいは寄生素子は、回路性能に著しい影響を及ぼす要素となっています。配線寄生素子が与えるおもな影響には、信号遅延、信号ノイズ、IRドロップ(電圧の抵抗分)などがあります。これらは、信号の整合性に関するあらゆる問題を引き起こす原因となります。そうした問題には、以下のものがあります。

  • 実行に長時間かかる(精度に応じたトレードオフの関係)
  • 目標とする精度で高速計算できない

Cleverはフィールド・ソルバを搭載した1次元/2次元/3次元RC抽出ツールで、ファウンドリおよびファブレス設計企業向けに開発されたソリューションです。本製品を使用することにより、エンジニアリング上のさまざまな要求に応えることが可能な、寄生素子抽出に関する上記のような問題にも対処できる高精度の配線モデルを実現できます。

おもな特長

  • 先進のリソグラフィーを備えた高精度の3次元フィールド・ソルバ
  • 寄生抵抗素子および寄生容量素子を高精度で抽出
  • どのようなプロセス形状サイズにも対応
  • 素早いフィードバックにより、バックエンドのプロセス/レイアウト・パラメータの関数としての回路性能を最適化可能
  • 局所的に実行される適合メッシュ細分化法(AMR)により、最適メッシュの精度を最大化
  • マルチ・コアおよびマルチ・プロセッサ搭載マシンで並列処理が可能
  • 境界条件、材料特性、解の許容値をユーザが設定・制御可能
  • フィールド・ソルバで計算された抵抗と容量は、抽出後のアクティブ・デバイス・ネットリストに自動でバックアノテートされるため、すぐにSPICE解析が可能
  • RC抽出ツールとしては業界で唯一、リソグラフィ効果、焦点ずれ、Δ CDを再現可能
  • 完全に結合した電界とディレクタ・フィールドによるLCDシミュレーションに対応
  • 液晶セルを対象とした電圧依存寄生素子抽出に対応
  • お客様とサード・パーティ企業の大切な知的財産を守る、シルバコの強力な暗号化技術を利用可能

メリット

Cleverは、リアルなエッチング/デポジション・モデルなどを備えた高い汎用性を誇る高精度RC抽出ツールで、複雑な配線セルであっても高い生産性を実現することができます。Cleverに搭載されたAMR機能を局所的に実行することで、目標とする精度を実現できます。また、Cleverは自由度のあるメッシュに対し必要に応じて自動的に細分化法を使用するため、メッシュの精度を最大化することができます。

使用用途

TFT、タッチパネル、LCDなどのフラットパネル・ディスプレイ
電位分布
タッチパネルの3次元構造
円筒状ビアおよび円錐状ビア
酸化絶縁膜除去後の6個のメモリ・セル(未完成のSRAMアレイ)SEM写真(IBM)
SRAMとフラッシュ・メモリ・セル
SRAMセルの3次元構造