シリコンはこれまで長い間にわたって、高電圧パワー・デバイスへの適用に最も適した材料と考えられてきました。近年では、炭化ケイ素(SiC)と窒化ガリウム(GaN)や、その他の材料も注目を集めるようになっています。これらの材料がワイドバンドギャップを持つことは、シリコンよりも優れたパフォーマンスを期待できることを意味します。しかし、そうしたワイドバンドギャップ材料の場合、TCADシミュレーションにおいて極めて高い精度が要求されるため、ワイドバンドギャップであることによりTCADシミュレーションの際に難しい問題が発生することにもつながります。シルバコ・ツールは最大160ビットまでの精度とともにDelaunayメッシュを用いて、必要とするシミュレーション精度を実現することができます。

パワー・デバイス設計の根幹となるのはTCADです。この「”virtual manufacturing” 仮想製造」を利用すれば、実際にウェハを使用して行うよりも明らかに短時間で済み、費用も大幅に節約できます。

3次元トレンチ酸化
3次元SiC MOSデバイス・シミュレーション

TCADを設計の世界と結び付けることができなければ、TCADそれ自体のメリットは限定的なものに留まります。パワー・デバイスに適用するプロセスを設計する技術者は、デバイスそのものを設計する技術者と同一ではありません。ここで必要となるのが、TCADからSPICEへの橋渡しをする役割を担い、時間も費用もかかる実際のウェハを使用した実験を行うことなく回路性能を測定可能にする要素です。

SPICEモデルが利用できると、アナログ設計の場合と同様に設計工程を進めることが可能となり、レイアウト作成と寄生素子抽出の後に回路シミュレーションを実行して性能を判別します。TCADとSPICEの両方を組み込んだ混合モードでのシミュレーションも実行可能です。この一連のステップを繰り返して設計を仕上げて行きます。

もう1つの重要なステップは、信頼性解析です。高電圧部位がある場合、特にエレクトロマイグレーションと熱に関する問題がさらに重要となります。電力回路は高エネルギー粒子の影響も受けやすく(シングル・イベント効果)、さらに、シングル・イベント・バーンアウトやシングル・イベント・ゲート破壊の影響も受けやすい特性を持っています。メッシュを衝突パスに沿って細分化することにより、シミュレーション精度を落とさずにTCADの実行効率を高めることができます。

混合モードでのTCAD/SPICEシミュレーション

シルバコは、TCADからモデリングを経てPDK生成に至るフローを完全にカバーするツール群を提供しています。さらに、Invarian社の買収を通じて最近シルバコ・ツールに加わったEM/IR/熱解析ツールを含む、設計と解析のフロー全体をカバーするツール群も提供しています。

おもな機能

  • シリコン、SiC、GaN
  • ワイドバンドギャップ・シミュレーション: 物理モデル、Delaunayメッシュを使用可能。精度は80、128、160ビットから選択可能
  • 並列化PAMソルバ(MPI)
  • 混合モードでのTCAD/SPICEシミュレーション
  • マルチセル大規模構造シミュレーション – IGBT電流集中
  • ロバスト性及び安定性に優れたトレンチ分離の3次元酸化を含むLOCOSシミュ レーション
  • シングル・イベント・バーンアウト(SEB)、シングル・イベント・ゲート破壊(SEGR)、シングル・イベント効果(SEE)、総線量
  • 衝突トラックに沿ったメッシュ細分化
Model Extraction
  • HiSIM_HV2.3モデル
  • 有機トランジスタ、OLEDに適したTechModelerの高速フィッティング機能
Model Extraction
  • 高精度解析用パラレルSPICE
  • FastSPICEによるフルチップ・パワーICシミュレーション
  • AMSシミュレーション
  • 過渡ノイズ解析
ばらつき解析
  • 高速モンテカルロ解析によるシミュレーション実行回数の削減
  • ローカル・ミスマッチ解析
  • 迅速な設計反復のための統計的コーナー
  • AMS、HV、BCDのプロセスに重点を置いた幅広いファウンドリのPDKをサポート
  • フル・カスタムレイアウト
  • 統合された抽出とDRC/LVS
Extracted Netlist Analysis & Reduction
  • 寄生素子リダクション
  • 設計解析
  • 抽出された寄生素子を含むネットリストの比較
Invar
  • ブロック・レベルからフルチップ・レベルまで解析可能
  • 初期レイアウトのIR/EM解析
  • SPICEレベルの精度
  • 熱解析機能を使用した過酷条件の解析