シルバコ、CMCモデル標準化に向けてHiSIM-RF表面ポテンシャル・モデルのサポートを完了

2005年4月15日

回路シミュレーション・ソフトウェアのリーディング・ベンダであるシルバコ・インターナショナル(以下シルバコ)は本日、広島大学で開発されたHiSIM-RF表面ポテンシャル・モデルがバークレー形式データ構造で構成され、シルバコの回路シミュレータに統合されたこと、そしてコンパクト・モデル評議会メンバー企業の商用シミュレータ、および内製シミュレータへの容易な組み込みが可能になったことを発表しました。(HiSIM: Hiroshima-university STARC IGFET Model)

1996年8月に設立されたコンパクト・モデル評議会(Compact Model Council:以下CMC評議会)は27企業からなり、コンパクト・モデルの活用とシミュレータへの組み込み、およびモデル・インターフェースの国際標準化を推進することを目的としています。CMC評議会はメンバー企業の必要性に応じてモデル開発の取り組みを調査、推進、標準化し、広島大学、およびカリフォルニア大学バークレー校といった開発者に対し、コンパクト・モデル標準化の場を提供しています。

コンパクト・モデルとは半導体デバイスの動作を数式で表したもので、アナログ回路シミュレータで用いられています。集積回路設計者、プリント基板設計者は製作する前に、電子デバイス動作を正確に予測するために回路シミュレータを利用しています。

「このHiSIM-RF表面ポテンシャル・モデルはデジタル、アナログ、そして高周波用途向け次世代半導体プロセスの電気特性を正確に反映します。」と、広島大学大学院先端物質科学研究科教授、三浦博士は述べています。
「HiSIM-RFモデルは115の物理的意味が明らかなパラメータで構成され、最先端ナノメータ・プロセスに対して容易なパラメータ抽出が可能です。」

「HiSIM-RFモデルは、現在用いられているBSIM4モデルに比べて正確であると同時に短時間でシミュレーション可能です。」と、シルバコ・ジャパン代表取締役社長 Dr. Ivan Pesicは述べています。「また、HiSIM-RFは業界標準であるバークレー形式のモデル・インターフェースに準拠しているため、どのような回路シミュレータにも組み込みが容易です。」   

HiSIM表面ポテンシャル・モデルについて

三浦博士は1993年シーメンス社在籍時、DRAM開発に表面ポテンシャル・モデルを適用しました。HiSIM 1.0モデルは、2001年に半導体理工学研究センター(STARC: http://www.starc.jp/index-e.html )より回路シミュレータ・ベンダに提供され、2002年には一般公開されました。標準化を目指してCMC評議会に提案された、HiSIM-RF MOSFETモデルのパラメータ数はBSIM4モデルの三分の一で、ビニング処理せずに正確なモデルが求められます。またHiSIM-RFモデルは、業界のリーダに支持され、商用および内製シミュレータでサポートされているオープン・ソースフォーマットで提供されており、支援には広島大学が中心となって携わります。

アナログ・ミックスド・シグナル/RF回路シミュレータについて

HiSIM-RFモデル後援企業の一社としてシルバコは、CMC評議会のモデル選定ガイドラインによる評価のために自社回路シミュレータSmartSpice、SmartSpiceRFハーモニック・バランス・シミュレータ、およびHarmonyミックスド・シグル・シミュレータにHiSIM-RFモデルを統合しました。この評価に使用されたモデル・パラメータは、シルバコのUTMOST SPICEパラメータ抽出ツール組み込みの遺伝子アルゴリズムにより、CMC評議会提供の90nmデバイスに最適化されました。シルバコは、標準化のためHiSIM-RFモデルを評価中のCMC評議会メンバーに、HiSIM-RF表面ポテンシャル・モデル搭載のSmartSpice使用権を提供する準備ができました。

広島大学大学院先端物質科学研究科について

広島大学大学院先端物質科学研究科は物質や生命の根本原理を追求する基礎研究グループと根本原理を人類のために活かす先端的技術開発を行う研究グループとによって構成されています。理学と工学は最先端部分では互いに問題を共有しており、新たな視点からの解決策を生み出すことが期待されるからです。また,これからは生命科学と物質科学は共通の科学法則に支えられているという認識のもとに両分野の協力・融合で研究が進展していくことを意図しています。

一方、世界的潮流として、大学院で学位を取得した人たちが社会で大きな役割を果たす世の中になってきました。学位取得者に期待されているのは、単に特定分野の研究方法や高度な技術に習熟しているだけではなく、広い学識と実務能力をもって、国際社会のなかで種々の問題解決のための仕事を先導することと認識しています。

シルバコ・インターナショナルについて

シルバコ・インターナショナル(本社:カリフォルニア州サンタ・クララ)は、アナログおよびミックスド・シグナル統合回路の設計用EDAソフトウェアのリーディング・ベンダです。1984年に設立され、TCAD(technology computer aided design)シミュレーション・ソフトウェア、SPICEパラメータ抽出、回路シミュレーション、物理IC設計/検証ソフトウェア製品を販売しています。これらの優れた製品群と経験豊富なサポートやエンジニアリング・サービスを一体化し、CMOSやBipolar、SiGe、化合物テクノロジにおける豊富な半導体プロセス、デバイス、およびデザイン・オートメーション・ソリューションを提供します。アナログ設計における最高精度を求める最大手のファブレス半導体企業、統合半導体製造会社、大学、統合回路技術者など、その顧客は世界中に広がっています。

広島大学大学院先端物質科学研究科
教授 三浦 道子
E-mail: mmm@hiroshima-u.ac.jp

本件に関してのお問い合わせ:
jppress@silvaco.com