数百万トランジスタで構成された大規模回路をシミュレーションするには、マルチスレッド対応の回路シミュレータが不可欠です。Simucadの商用回路シミュレータであるSmartSpiceは、マルチスレッド化されてから長い年月が経過しており、BSIM3、BSIM4など、すべてのSPICEモデルもマルチスレッド化されています。集中的な研究開発の末、Simucadはこのたび、商用アプリケーション向けのマルチスレッド版HiSIMモデルをリリースしました。
マルチスレッド版HiSIMは、広範なテストにおいて、常にBSIM4より高速であり、しばしばBSIM3を上回る速度を示しました。この高速性は、多くのバック・アノテートされた寄生RC素子をともなう、大規模回路のシミュレーションで特に大きなメリットとなります。サブ90nm設計のディープ・サブミクロン回路では、必然的に寄生RCのバック・アノテートを要することから、マルチスレッド版HiSIMモデルは、この用途に特に適したモデルといえます。
「Simucadは、マルチスレッド・テクノロジの開発に長年力を注いできた。今回、そのノウハウをHiSIMにつぎ込んだ。これでHiSIMは、サブ90nm技術のシミュレーションにまさに最適なモデルになる。その性能には、開発した我々が驚いたくらいだ。」と、Simucadの代表取締役社長兼CEO、Ivan Pesic(アイヴァン・ぺシック)は述べています。
マルチスレッド版HiSIMモデルはSimucadのフローに簡単に組み込むことができます。Simucadは、アナログ/ミックスド・シグナル向け回路シミュレータとして32/64ビット・マルチスレッド対応SmartSpice、自動化されたSPICEモデル・パラメータ抽出ツールとしてUTMOST IV、さらにはSPICEモデル・パラメータ抽出サービスなど、完全なソリューションを提供しています。SmartSpiceとUTMOST IVは、Simucadのウェブサイトからダウンロードできます。
Simucad Design Automationは、アナログ回路、ミックスド・シグナル回路、RF集積回路の開発用途でシミュレーションツールやCADソフトウェアを提供する有力企業です。シルバコ・インターナショナルから2004年にスピンオフしたSimucadでは、回路シミュレーション、カスタムICレイアウト/検証、配線モデリング、デジタル・シミュレーション、IPキャラクタライゼーション分野において製品を提供しています。Simucadは他社製設計プラットフォームとのインタフェースを備えたPDKベースの包括的設計フローを提供しています。シルバコの
20年にわたる事業経験から受け継いだグローバルなプレゼンスを有するSimucadは、IPOへの準備を行っています。
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