RF受動デバイス用3次元モデリング・ツール
Quest™は、RF SPICE解析に向けて、マルチポート・ネットワークにおけるインダクタンス、抵抗、容量、および容量損失の周波数依存性を、3次元構造から計算します。また、Wエレメント伝送線路、インダクタ、およびMIMキャパシタに対する周波数依存および周波数非依存のSPICEモデルを、GDSIIレイアウトから生成します。
特長
- GDSIIレイアウトとテクノロジファイルから、周波数依存/非依存のスパイラル・インダクタの標準SPICEモデルを直接生成
- GDSIIレイアウトとテクノロジファイルから、周波数依存のWエレメントの伝送線路SPICEモデルを直接生成
- GDSIIレイアウトとテクノロジファイルから、周波数依存のマルチポートのSパラメータ・モデルを直接生成(任意のレイアウト/構造のRF SPICE解析に使用可能)
- 導体間のインダクタンス(L)、容量(C)、抵抗(R)性のカップリング効果を計算
- 複素誘電率、および周波数依存の材料誘電率を考慮して、損失を有する誘電体に対応
- VWF (Virtual Wafer Fab™)に接続して、DOE (実験計画法)および最適化を実行
- お客様とサード・パーティ企業の大切な知的財産を守る、シルバコの強力な暗号化技術を利用可能
物理ベースの先進機能
- 仮想領域法による準静的マクスウェル方程式(quasi-static Maxwell equation)の求解
- 非3次元四面体メッシュ
- デュアル・メッシュ・アルゴリズムによりシミュレーション速度が高速化、メモリ消費が低減するため、大規模構造の解析が可能
- 基板損失および表皮効果を計算可能
- 物理ベースのシミュレータであるため、任意の構造を正確にキャラクタライズ
- シミュレーションの高速化により、広い周波数領域での解析と、現実的なDOEシミュレーション時間を実現
- 同じ位置の深さに複数の材料
- 4ポート・デバイスから2ポート・デバイスへの変換
- 台形型メタル形状
- 複素誘電率および周波数依存の材料誘電率を考慮
- 任意のマルチポート・レイアウトを、RF SPICE周波数領域で解析物理ベースの先進機能
マルチポートのSYZパラメータを自動生成
バランスド・インダクタに関するSパラメータの出力例
測定データ: STMicroelectronics社(Tours)提供
周波数10GHzにおける、グラウンド・シールド・カップリングでの電流パターン |
MIMキャパシタの解析 |
高い生産性と汎用性
- VWFのDOE機能により、多数の実験をマルチCPU上で実行して、デザインを最適化
- VWFおよびDeckBuildと接続することで、マルチスレッドGA (Genetic Algorithm)オプティマイザ、LM (Levenberg-Marquardt)オプティマイザを使用して最適化を実行
- 既存のインダクタンス/伝送線路デザイン・ライブラリは、プロセスの進化やセカンド・ソース・ファブに向けて、ビヘイビア解析などの再キャラクタライズが可能
- 複素数計算を含むJavaScriptインタフェースによる測定データ処理
- 事前定義/ユーザ定義のパラメタライズド・セル(P-Cell)からのインダクタ生成により、レイアウト・ベースのDOEが可能
使い勝手のよさ
- DeckBuildのGUIからすべてのプログラムの操作と機能にアクセス
- ラベルとパッドをGDSIIファイルに追加して、自動的に電極を生成
- Silvacoのレイアウト・エディタExpert、オプティマイズ・モジュールUtmost IV、Silvacoのインタラクティブ・ツールTonyPlot、TonyPlot 3Dと完全接続
- Sパラメータの測定ファイル(.citi、.csv形式)をQuestのS、Y、Zパラメータ出力形式に変換して、測定値とQuestシミュレーション結果を直接比較使い勝手のよさ
あらかじめ定義された、またはユーザ定義のP-Cellを基にしたレイアウト・ベースのDOEを実行することで、インダクタの性能解析、ならびにPDK生成が可能です。
VWFにおけるQuestシミュレーションのスプリット・ツリー図
レイアウト変数と出力結果を含むVWFワークシートワークシート
レイアウトや構造を自動生成 |
生成したサンプル・インダクタのクロスオーバ部周辺の拡大画像 |
Utmost IVでの抽出結果を直接ワークシート上で使用可能なため、
PDK (プロセス・デザイン・キット)生成用にSpaynへ読み込めます。
最適化実験のグラフ表示です。グリーンの値がターゲットに最も近いという結果を示しています。
ターゲットである実験結果のQ値曲線に合わせ込むために得られた最適化されたプロセス・パラメータ
Questの入力/出力
Rev.042213_21