バーチャル・ウェハ・ファブ

VWF®を使用すると、実験計画(DOE)や最適化などの高度な解析作業を、シルバコのシミュレータで行うことができます。

はじめに

シルバコが提供するバーチャル・ウェハ・ファブ(VWF)では、上記のような難度の高い解析作業に対応できる統計的実験計画(DOE)を利用できます。この強力なツールによって、プロセスの最適化を迅速に行うことができます。単一変数による実験に代わる実験計画DOEでは、逐次近似法に基づく実験に見られる不完全なデータの問題が解消されています。そのため、必要とする現象の理解と結果を迅速に得ることができます。設定を最適化した実験計画を活用すると、少ない実験回数で統計モデルを評価でき、製品開発から市場投入までの期間を短縮できるため、実験コストを削減することができます。

シルバコが提供するバーチャル・ウェハ・ファブ(VWF)では、シミュレーション条件を自動的に設定できます。本製品を使用すると、開発費用を大幅に削減できるだけでなく、半導体製品の開発サイクルにも素早く対応できるようになり、新製品の市場投入に適した時期を逃してしまうことも回避できるようになります。VWFでは、DOEの代替として、事前に指定した目標値を得るために、ローカルおよびグローバルの複数の最適化ストラテジにより構成される最適化フレームワークも利用できます。このフレームワークにより、プロセス・パラメータの最適化やモデル・パラメータのキャリブレーションなどの作業を自動化できます。VWFのソフトウェアでは、複数のシミュレータを組み合わせて実行することができます。そのため、お客様が利用できるシルバコのシミュレーション・ツール群から任意のものを組み合わせて、シミュレーションのフロー全体を最適化することができます。また、大規模な並列処理を実行できるようにするため、Oracle Grid Engine (OGE)やLSFのようなグリッド・コンピューティング・ソフトウェアの利用が可能です。VWFでは、事実上、並列処理において実行できるシミュレーション数に上限はありません。

おもな特長

  • グラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)
  • SQL-92準拠のデータベース・エンジン、XMLファイルでデータを保管するファイル・モード、シミュレートしたデータのRSMプロットをそれぞれサポート
  • データベース間でデータをコピーできるインポート/エクスポート機能
  • Oracle Grid EngineやLSFを使用したシミュレーションの大規模な並列処理が可能
  • シミュレーション結果をExcel、OpenOfficeのスプレッドシート形式でエクスポート可能

メリット

  • VWFはプロセス・シミュレーションからSPICE回路性能シミュレーションにいたるフロー全体または一部を表現可能
  • 強力なスクリプト・インタフェースにより、DOEのカスタマイズやバックグラウンドにおける実験の実行、最適値を求めるための複雑な関数の演算が可能
  • プロセス特性(酸化膜厚など)、デバイス特性(しきい値電圧など)、回路特性(立ち上がり時間など)をフロー全体から測定可能
  • 各実験単位をネットワークで接続された複数のホストで実行し、シミュレーション時間を短縮可能
  • さまざまな実験単位に対して応答モデルを生成し、入力パラメータが出力応答に与える影響をより柔軟に確認可能
  • 入力パラメータや出力応答測定値を含むワークシート全体をSpaynにエクスポートして統計的な解析を加えたり、TonyPlotにエクスポートしてグラフ表示したりすることが可能
  • 高度なセキュリティ機能により、きめ細かなアクセス管理が可能

おもな用途

VWFには、使用できるコンピューティング・ハードウェアのクラスタを最大限に活用する方法や、さまざまな種類のアプリケーションを自動化する方法を示す、多数の例題が付属しています。それらの具体的な例を以下で紹介します。

  • テスト構造の重要な幾何学的特性(各層の層厚、スペーサ幅、ゲート長など)をパラメータ化して、重要なデバイス特性に対する影響を調査する
  • 最適化アルゴリズムによってプロセス・パラメータ(ゲート酸化時間および温度、Vt調節注入量およびエネルギーなど)を変動できるように設定し、デバイス特性の目標値(所定のしきい値電圧など)を得る
  • インバータのGDSファイルから作業を開始して、対応するキャパシタンスを抽出し解析する3次元バックエンド・プロセスをシミュレートする
  • シミュレーション・モデルのパラメータに対する完全に自動化されたキャリブレーションを実行する(スクリプトにより複数のシミュレーションを1つにまとめて実行できるため、非常に高い柔軟性を実現可能)
各実験へは、VWFエクスプローラまたはスプリット・ツリー図を使用してアクセスできます。

4つの異なるプロセス・パラメータの組み合わせによる、ドレイン電流に対するゲート電圧を示すグラフ。各曲線は、選択したセル8.2(赤)、8.5(緑)、8.6(青)、8.9(水色)に対応。
Spaynで生成したRSMをTonyPlotで視覚化。リング・オシレータ周波数がプロセス・パラメータ(ゲート酸化時間およびVt注入量)の関数として示されています。

技術仕様

以下がサポートされます。
  • 標準的なタイプのDOE実験
  • スクリプトを使用したユーザ独自のDOEの定義
  • スプレッドシート(Excel)からのDOEのインポート
  • ローカルおよびグローバルの各種の最適化ストラテジ
  • Oracle Grid Engine (OGE)およびLSFのクラスタ・コンピューティング・ソフトウェア