ライブラリの統計的機能検証

先進テクノロジ・ノードでのプロセスばらつきの問題は、スタンダード・セル・ライブラリの設計において重要な課題となっています。VarMan for Libraries™ (LibVar)は、そうした課題に対応できる新世代のツールです。LibVarは、総当たり式モンテカルロ(MC)の精度を維持しつつ、スタンダード・セルの統計的機能検証において効率的で信頼性の高いソリューションを提供します。また、LibVarは、統計的ばらつき解析を総当たり式MCの10倍を超える速度で正確に実行でき、検証にかかる総時間を数ヶ月から数日に短縮することが可能です。

はじめに

総当たり式MCによるライブラリの機能検証は、非常に時間とコストのかかる作業です。数百ないし数千ある各コーナーに対し総当たり式MCを数千回実行する必要があるため、膨大な回数の総当たり式MCが実行される結果となります。そのため、機能検証段階では、非常に長い解析時間、およびリソースとしての大量のソフトウェア(SPICEシミュレータ)とハードウェア(CPU)が必要となることがあります。

図1: 総当たり式MCのフローとLibVarのフローの比較

おもな特長

  • パラメータ空間を詳細に調査して不良箇所を検出
    • 不良箇所が検出されたPVTSCのシミュレーション結果を調査
    • 適応性調査を実行可能
  • スタンダード・セルの統計的検証に向けた独自のエンジン
    • 不良ゾーンを統計的検証により素早く検出
    • 安定性が低く、擬似不良を起こすシミュレーションに対してロバストです。
  • 不良箇所および不良箇所付近となりうる候補を標本にMCシミュレーションを実行
  • シミュレーションを大幅にスピードアップ: 最大で10倍を超える速度向上が可能
  • セルPVTSC間で処理をシェアすることにより、さらなるスピードアップも可能
  • 既存のフローに素早く統合可能: 最適に調整されたキャラクタライズ・フロー内に簡単に統合できるよう設計されているため、既存のフローの変更は不要
  • 高機能なシミュレーション・マネージャー: シミュレーション結果管理機能を提供: LSF/SGEクラスタを通じて優れたシミュレーション・スループットを実現

メリット

  • 画期的な解析技術
    • スタンダード・セルの統計的検証に向けた独自のエンジン
    • MCで検出された不良箇所を適応性により調査/カバー/シミュレーション
  • 高い信頼性を誇る実証済みのテクノロジ
    • 主要な半導体企業により多くの先進テクノロジ・ノードでテスト/検証済み
  • あらゆるSPICEシミュレータと設計環境に対応
    • すべての主要なSPICEシミュレータと設計環境をサポート
    • 需要の高い先進のデザイン・キットを数多くサポート
    • バッチモードをサポート
  • 設計フローの変更は不要:デザイン・キットに非依存
図2: 古典的なMC解析の標準的なフロー。LibVarでは、すべてのコーナーを網羅する状態をキープしつつ、10倍の速度で検証することが可能

おもな用途

  • モンテカルロ・シミュレーションによるスタンダード・セル・ライブラリ全体の統計的機能検証

LibVar導入の効果: 主要なお客様の事例:

フリップ・フロップ、28nm FDSOI
  • 測定数: 278回
  • 全体としての速度向上: 9倍
デジタル・ライブラリ、28nm FDSOI
  • 寄生素子を含む40個のセルに対し、セルごとに最大100個のPVTSCコーナーを適用
  • 数百の出力状態を検証 (出力電圧およびデジタルのレベル検証)
  • シミュレーション実行時間: 1~4分
比較項目 SPICE MC LibVar
MCシミュレーション実行回数 4,000 475
検出した不良箇所の数 9 9
解析時間(分) 173 19

技術仕様

  • バッチ・スクリプト言語をサポート
  • マルチCPUのマシン上および複数のマシン上(LSF/OGE)で実行可能