2次元アモルファスおよび多結晶デバイス・シミュレーション・モジュール

TFT™は物理モデルを備えた高度なデバイス・テクノロジ・シミュレーション・モジュールで、薄膜トランジスタを含むアモルファス・デバイスまたはポリシリコン・デバイスをシミュレートするために必要な数値手法に特化しています。フラット・パネル・ディスプレイ(FPD)などの大型ディスプレイ製品や太陽電池のシミュレーションに特に適しています。

TFTを使用すると、非晶質材料のバンドギャップ内における欠陥状態の分布の電気的効果をモデリングできます。ユーザは、アモルファス・シリコンやポリシリコンの結晶粒と粒界に対して、電子とホールの捕獲断面積/ライフタイムと共に、エネルギー関数としての状態密度(Density Of State: DOS)を指定できます。デバイスの性能を正確に予測するために、移動度、インパクト・イオン化、バンド間トンネル効果のモデルを調整することも可能です。

特長

  • エネルギー依存のDOS
  • フォノンを介したトラップ-バンド間トンネル効果
  • バンド間トンネル効果
  • Poole-Frenkelの障壁低下効果
  • DIGBL (Drain Induced Grain barrier Lowering)
  • DC、AC、および過渡のシミュレーション

アクティブ・マトリックス方式のディスプレイ・ドライバ

TFTでは、大型フラット・パネル・ディスプレイに使用されるアクティブ・マトリックス方式のディスプレイ・ドライバをシミュレートすることが可能です。このテクノロジは、低温処理のa-Si: Hまたはポリシリコン薄膜トランジスタに基づいています。ノンプレーナまたはマルチ・ゲートの薄膜トランジスタ構造の電気的キャラクタライゼーションを実行することが可能です。

トップ・ゲート型n-チャネル・ポリシリコン薄膜トランジスタ構造図です。このタイプのデバイスは、アクティブ・マトリックス方式ディスプレイ素子を駆動するために使用されます。この図では、0Vにおけるポテンシャルの等高線を表示しています。結晶粒サイズ600nm、ポリシリコン膜厚50nm、ゲート酸化膜厚140nmです。
欠陥分布はエネルギーに依存します。上図のプロットはテール分布およびガウス分布を含むトータル・ドナーとトータル・アセプタのトラップ密度レベルを表しています。ユーザは、C-Interpreterを使用して、材料の特性を指定するために、これらのDOS定義を容易に変更することが可能です。
Atlasは、バンド間トンネル効果やトラップ・アシスト・トンネル効果を考慮して、負のゲート・バイアスでの逆リーク電流をモデリングします。上図は、2つの異なるドレイン・バイアスにおける顕著な逆リーク電流のプロットです
p-チャネルとn-チャネルのポリシリコン薄膜トランジスタのIV特性

TFT駆動ピクセルのシミュレーション

TFTとMixedModeを使用して、薄膜トランジスタLCDパネルのピクセルを正確にシミュレートすることができます。設計者は、コンパクト薄膜トランジスタ・モデルに代わる物理ベースのモデルを用いて、LCDパネル回路設計を解析し最適化することが可能です。さらに各ピクセル内の寄生素子の効果を評価することができます。TFTは、LCDパネルの大規模なシミュレーションを実行するために複数のピクセルを処理します。

薄膜トランジスタのピクセルにおけるビット・ライン・プログラミングの効果を表しています。ドレイン電圧は、遅れてソース電圧に追従することがわかります。この遅延は外部抵抗および容量素子によるものです。
薄膜トランジスタ・ピクセルの等価回路です。MixedModeを使用して、TFT駆動のピクセルの電気的特性をシミュレートすることができます。

AC解析

TFTを小信号AC解析に使用して、各性能指数(figures-of-merit)およびキャパシタンス情報を抽出することができます。

より高いドレイン電圧では、バルクMOSデバイスと比較した場合と異なり、Cgdはわずかに増大します。この現象は、ドレイン電圧が増加するにつれCgsが減少しCgdが増加する小規模のデバイスでさらに明確になります。これは、ポリシリコン薄膜トランジスタのキンク効果によって説明することができます。

結晶粒界

結晶粒界は、薄膜トランジスタのキャリアの移動性に大きな影響を与えます。TFTは、異なる領域としてチャネル内部に結晶粒界を割り当てることができます。そして、これらの領域を結晶粒領域の特性とは異なる特性に割り当てることができます。結晶粒界の材料特性は、C-InpterpreterファイルまたはTFTの機能を使用して指定することができます。

結晶粒界を示した薄膜トランジスタ構造

DIGBL効果

下図は、ドレイン電圧5V時のオン状態の抵抗からのDIGBL効果を示しています。各ゲート電圧でのラインは1箇所も交わりません。これはポリシリコン薄膜トランジスタ固有の現象です。

ゲート・バイアスの関数として求めたIdVd特性です。ドレイン・バイアスが低い場合、高い結晶粒ポテンシャル障壁が発生します。ドレイン・バイアスが上昇すると、結晶粒障壁バイアスは低下し、ドレイン電流が増加します。これがDIGBL効果です。

太陽電池

TFTとLuminousを使用して、アルモファス・シリコンから形成された薄膜太陽電池をシミュレートすることができます。スペクトル応答、DC応答、過渡応答を抽出することができます。

シンプルなテクスチャーのSi太陽電池の構造です。周期的境界条件の下での光電流生成率の分布を示しています。
シンプルな薄膜アルモファスSi太陽電池の構造です。このデバイスは構造の中央に不透明金属のコンタクトを形成しています。素子内の光電流生成率を示しています。セルの量子効率を決定するために、端子電流を評価することができます。
AM0照明におけるa-Si太陽電池の電流電圧特性です。ISCは短絡電流、VOCは開放電圧です。Im値とVm値は最大パワーの矩形から得たものです。
照射光強度の関数として求めたa-Si太陽電池の電流電圧特性

Rev.110113_05