強誘電体デバイス用モジュール

Ferro™は、強誘電性フィルムの特性を表現するためにマクスウェルの第1方程式とFETの電荷シート・モデルを組み合わせたモジュールです。デバイスの静的I-V特性、ならびに過渡モードと小信号モードにおける動的応答を正確に予測することができます。

Ferroは、S-PiscesBlazeの両方のデバイス・シミュレータのオプションのモジュールとなります。S-PiscesまたはBlazeとシームレスに統合することにより、異なるテクノロジにも対応し、一般的なアプリケーションとして活用できます。

MFSFETデバイスのシミュレーション

MFSFET (Metal-Ferroelectric-Semiconductor)デバイスは、一般のMOSFETデバイスと構造的には同じです。異なる点は、MFSFETのゲート材料が、通常、2層の二酸化膜で挟まれた強誘電体材質(PZT)により構成されていることです。Ferroは、4つの材料パラメータ(飽和分極Ps、残留分極Pr、抗電力Ec、線形誘電率epsf)のセットでPZT材質をモデリングします。

正と負の両方向におけるゲート電圧スイープをFerroによってシミュレートした結果です。Ferroモデルは、強誘電体分極のヒステリシス現象を考慮します。この現象によって、スイープ方向に応じたしきい値電圧のシフトが起こります
単一トランジスタのメモリ・セルとして使用可能な標準のMFSFET構造。ゲート・スタックは、SiO2とPZT強誘電体材料で形成されています。
MFSFET構造のゲートにおける1MHz 4Vのこぎり波に対する過渡応答の非線形性
異なるドレイン・バイアス値に対してシミュレートされた非飽和強誘電体分極曲線

ヒステリシス現象のシミュレーション

強誘電体分極曲線の形状は材料パラメータのセット(Ps、Pr、Ec、eps)によって決定されます。強誘電体分極曲線を示すために、MFSFETデバイスを2組のパラメータセットでシミュレートしました。小信号AC領域でシミュレーションを実行した結果、C-V特性および分極曲線の両方を示すことができました。

これらの2つの図は、パラメータのセット(1e-6 C/cm2, 0.5e-6 C/cm2, 20 kV/cm, 200)における分極曲線とその結果生じた小信号C-V特性を示しています。ゲートバイアスは正および負の両方向にスイープされています。 
次に、Ferroのパラメータセットを抗電力がより高くなる値(1e-6 C/cm2, 0.5e-6 C/cm2, 50 kV/ cm, 200)に変更しました。抗電力が高くなることで、右図に示すような強誘電体分極曲線が拡大されました。左図は、結果として生じた強誘電体キャパシタンスを示しています。この図より、キャパシタンス値が低くなりC-V特性が拡大していることがわかります。

Rev.110113_03