Luminous™はノンプレーナ半導体デバイスの光の吸収と光電効果のモデリングに特化した高度なデバイス・シミュレーション・モジュールです。幾何学的レイ・トレース法を使用することで、一般的な光源に対する正確なソリューションを提供します。この機能により、任意の形状、内部および外部での反射や屈折、偏光、および散乱が考慮できます。また、多層構造のデバイスにおけるコヒーレンス効果に対して、光学的トランスファー・マトリクス法による解析も提供します。ビーム伝播法を使用して、コヒーレンス効果および回折をシミュレートすることも可能です。Luminousは、Atlasに完全統合し、Atlas内でS-PiscesおよびBlazeデバイス・シミュレータ、およびその他のデバイス・テクノロジ・モジュールとシームレスに連携します。
Luminousでは、単色光源、マルチ・スペクトル光源のいずれもシミュレーションが可能で、オプトエレクトロニクス特有の特別なパラメータを抽出する機能も備えています。また、任意の光源が存在する状況で、一般的なデバイス構造における、DC、AC、過渡、およびスペクトル応答をシミュレートできます。Luminousは広範囲のデバイス・テクノロジに対応しています。それには、CCD、太陽電池、フォトダイオード、光導電体、アバランシェ・フォトダイオード、MSM光検出器、フォトトランジスタ、光電子イメージング・アレイなどが含まれます。
Luminousによって、イメージング・アレイやCCDデバイスを詳細に解析できます。
![]() CCDの埋め込みチャネル内で電荷が転送されている際の電子密度等高線を時系列に表した図です。このような解析は、電荷井戸の容量および電荷転送効率を抽出するために使用します。 |
![]() Luminousの一般的なアプリケーションは、CCDの輸送サイクル時のチャネル内ポテンシャル評価です。デバイスのチャネルと交差する最大ポテンシャルを表すために、いくつかのx軸座標における垂直断面での評価が使用されます。 |
Luminousを使用すると、通信機器などの高速、低ノイズ・アプリケーションで使用される光検出器を解析できます。これは、デバイス構造を最適化するのにコスト効率のよいソリューションです。
![]() Luminousを使用すると、重要なデバイス特性(量子効率、スペクトル応答、周波数応答など)を容易に抽出できます。上図は、高周波で変調した光に対する応答を示しています。 |
![]() さらに、Luminousでは過渡応答もシミュレート可能です。ここでは、光を急に遮断した際の光と、その結果の光電流との差を示しています。 |
![]() Luminousでは、多層の反射防止被膜の設定およびシミュレーションも可能です。上図は、反射防止被膜を施したデバイスと施していないデバイスのスペクトル応答を理想的な応答と比較したものです |
![]() Luminousは、光源の非常に一般的な仕様も提供します。上図は、角度をつけた入射および周期的境界の条件でのガウス型光源の光強度を表しています。 |
Luminousを使用して、太陽電池の特性(収率、スペクトル応答、開放電圧、短絡電流など)を抽出できます。
![]() 入射光の波長を変動させることで、スペクトル応答のモデリングが可能です。上図の緑色の曲線は光源から受けた光電流分で、青色の曲線は実際の端子電流です。 |
![]() Luminousのレイ・トレース機能によって、先進デザインの解析も可能です。上図は、角度を持った光ビームからの光電流生成率のシミュレーションを示しています。 |
Luminousは光の波動性を考慮に入れた物理モデルを備えています。光の回析効果並びにコヒーレンス効果は、ビーム伝播法を使用して解析できます。
![]() Luminousにおいてビーム伝播法は光の回析を考慮しています。回析効果による狭いガウス・ビームの伝播は、シリコン内で光生成されたキャリアの分布に影響を与えます。 |
![]() Luminousにおいてビーム伝播法を使用することで、複雑な構造に対する光の伝播を解析できます。左図はシリコン酸化物とシリコンとの境界における光の反射および屈折を示しています。入射光と反射光の干渉が考慮されています。 |
光ビームは半導体プロセスで使用されます。赤外線ランプを使用してウェハ全体を迅速に熱アニール処理する場合、または高光強度レーザ・ビームをラスター方式でウェハに照射し、局所的に再結晶化する場合などです。上述のどちらのアプリケーションもGigaと連携してLuminousを使用することで、直接シミュレートし、光によって励起された電子-ホール・ペアの再結合プロセスからの温度上昇をモデリングできます。このページの例は、シリコン基板の表面に高光強度レーザ・ビームをz方向へ掃引、照射したときの過渡的、局所的な温度進展を示しています。
![]() 上の2つの図は、ビーム幅10um、1MW/cm2の緑色レーザ・ビームをそれぞれ5、10マイクロ秒照射したときの温度上昇の進展の様子を示しています。下段の2つの図は、z方向に掃引することで、ビームが切断されてから10マイクロ秒以降、5マイクロ秒間隔で熱が放散していく様子を示しています。 |
![]() レーザ・ビームの中心が通ったウェハ表面の温度上昇のグラフです。10マイクロ秒後、レーザ・ビームが通過し、その後ウェハ表面は冷えていき周囲温度に戻っていきます。 |
プロセッサ数 | 時間(分) | シミュレーション速度の向上 |
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1 processor | 66.0 min | – |
2 processors | 40.7 min | 1.62 |
3 processors | 27.4 min | 2.4 |
4 processors | 21.6 min | 3.05 |
5 processors | 18.6 min | 3.55 |
6 processors | 16.5 min | 4 |
7 processors | 15.6 min | 4.23 |
8 processors | 14.5 min | 4.55 |
Rev.110113_06