高度な2次元デバイス用回路シミュレーション・モジュール

MixedMode™は、SPICEコンパクト・モデルに加えて、物理ベースのデバイス・シミュレーションを統合する回路シミュレーション・モジュールです。正確なコンパクト・モデルが存在しない場合、または重要な役割を果たすデバイスを高精度でシミュレートする必要がある場合、物理ベースのデバイスを使用します。Atlasの2次元モジュールを任意に組み合わせて、物理ベースのデバイスをシミュレートすることが可能です。物理ベースのデバイスをSPICEネットリストのフォーマットに準拠した回路の記述に従って設定します。MixedModeは、パワー回路、高性能デジタル回路、高精度アナログ回路、高周波回路、薄膜トランジスタ回路、光電子回路に使用できます。

パワー回路

通常、ハイパワーデバイスにはSPICEコンパクト・モデルを使用できません。MixedModeは、ダイオード、バイポーラ、サイリスタ、GTO、MOS、IGBT などの多様なデバイスを含むハイパワー回路をシミュレートします。

GTOのターンオフ中に計算されたアノード電流およびアノード電圧
回路の過渡状態のどの時点でも、物理ベースのデバイス内部のキャリア濃度を調査することが可能です。
この回路はGTOのターンオフを調査するために使用されています。SPICEコンパクト・モデルは4つのダイオードのために使用するのに対し、GTOは物理ベースのデバイスです。

高性能デジタル回路

物理ベースのデバイスを使用して、高性能デジタル回路をシミュレートできます。MixedModeは、電荷蓄積や輸送時間の効果を正確にシミュレートします。

この回路はECLインバータです。物理ベースのデバイスとしてトランジスタAlとANをシミュレートし、SPICEコンパクト・モデルを使用してトランジスタQIとQNをシミュレートします。下図はデバイスのベース波形とコレクタ波形の計算結果を示しています

高精度アナログ回路

Atlasのデバイス・シミュレータで使用されているアルゴリズムは完全な電荷保存を考慮しています。その結果、MixedModeでは高精度アナログ回路をシミュレートすることができます。

このチャージ・ポンプ回路を用いて、デバイス・モデルの電荷保存機能の標準テストを実行します。トランジスタA1を物理ベースのデバイスとし、MixedModeはこの回路をシミュレートします。
MOSトランジスタ(ノード5)のソースにおける電圧波形はDCレベルで安定しています。電荷の保存を示しています。

負荷型論理回路

MixedModeを使用して、実質的な回路負荷を持つ物理ベースのデバイスを容易にシミュレートすることができます。MixedModeのひとつの用途は、寄生素子およびファンアウトの効果を考慮してインバータのスイッチング速度を決定することです。

上図の回路は、インターコネクト寄生素子および別のインバータにより負荷されたCMOSインバータです。物理ベースのデバイスを使用してトランジスタAPとANをシミュレートし、SPICEコンパクト・モデルを使用してトランジスタM1とM2をシミュレートしています。
上図は、2つの物理ベース・デバイスの内部状態を示しています。複数の物理ベース・デバイスの内部状態を同時に表示することができます。内部状態の変化を表すアニメーションを容易に生成することができます。

技術仕様

MixedModeの回路は最大200個のノード、300個の素子、10個の物理ベースのAtlasデバイスを含むことが可能です。回路はSPICE入力言語を使用して指定します。 MixedModeは、SmartSpiceアナログ回路シミュレータのモデル・ライブラリを使用して、回路素子を正確かつ包括的に記述します。幅広いSPICEモデルに対応しており、電圧、電流および光源、MOSFET (level1、2、3、 BSIM3v3、BSIM4、 EKV、PSP、HiSIM2、HiSIM_HV、Silvaco HV MOS)、バイポーラ(Gummel Poon、 VBIC、Mextram、HICUM)、HBT、TFT (RPI a-Si、RPI poly-Si、UOTFT)、ダイオー ド、JFET、MESFET (Curtice、TriQuint)、HiSIM-IGBT が使用可能です。

Rev.110113_05